第 12 回目は、IoT 関連サービス・市場の拡大について、ご紹介いたします。
最近、雑誌やセミナー等において「IoT」をテーマとしたものが非常に
増えてきていると感じる方も多いのではないでしょうか。本日は、製造
業やサービス業等を中心に今後のキーワードになりつつある「IoT」に
ついて、現在の状況や今後の展望についてお伝えできればと思いま
す。
はじめに、「IoT」とは何か、改めてその定義を振り返りますと、Internet of Things : IoT(モノのインターネット)とは従来は主に「パソコンやサーバー、プリンタ等の IT 関連機器が接続されていたインターネットにそれ以外の様々な”モノ”を接続する技術」と定義づけできるかと思います。
IDC Japan の調査によると、2014 年の IoT 市場規模は約 9.4 兆円で、アプリ・デバイス分野が最も大きく、全体の約
88.4%(約 8.3 兆円)。 2019 年にはデバイス・通信以外の分野は、約 4.9%→13.1%(2.1 兆円)と大きく成長し
ていく見込みです。
テレビやデジタルカメラ、HDD プレーヤー等のデジタル情報家電をインターネットに接続する流れは既に始まっており、更にデジタル化された映像、音楽、音声、写真、文字情報をインターネットを介して伝達されるシーンが増えています。生活に密着したところでは、ホームセキュリティ、電気、炊飯器、風呂といったところまでデジタル化・ネット化が進んでおり、今後様々なビジネスに拡大していく可能性を秘めています。
更にインターネットはあらゆる”モノ”がコミュニケーションをするための情報伝送路に変化しつつあります。様々なモノ、機械、人間の行動や自然現象は膨大な情報を生成しており、これらの情報を収集・分析することで、様々な問題解決や新たなビジネスにつなげていくことが期待されています。見ること・聞くこと・触ることができる情報は勿論ですが、従来は取得が難しかった情報もセンサー等により数値化され収集可能な時代になってきました。例えば、ドアが「今、開いている」等と情報を発信することができるようになり、これらの情報をインターネットを介し様々な場所で活用することができようになってきました。
今後は IoT にととまらず、IoE(Internet of Everything )の時代に拡大していくとも言われており、世界そのものがデジタル化していく時代が来るかもしれません。日本はオリンピックも 5 年後に控えていますので、新しいテクノロジー・概念をオリンピックを契機に導入・浸透させていくことで、IoT を活用した新たな社会を構築していくこともできると考えます。実際、スペインのバルセロナでは、92 年にオリンピックを開催していますが、その時から、新しいルネサンスが始まったといわれております。都市自体を革新するということで、2000 年くらいから市の IoT/IoE 化に積極的取り組んでおり、照明、バス、駐車場、水道などがネットでつながれたスマートシティの世界を実現してきおります。その結果、1,500 社の新しい会社が設立され、そして約 44,000
人分の雇用がうまれたともいわれており、新しいビジネスが創造されていることが分かります。
実際、当社にも大手 SI・製造業の企業様から、IoT に関連したサービス企画・新規事業立ち上げや市場性検証、ビッグデ
ータと絡めた新たなデータ分析システム等のご相談を頂く機会が急激に増えております。こういったことから、日本の各企業も今後の新たな事業の核として「IoT」を位置づけていることが伺えると思います。