第22回目は、FinTech入門 第3回:ビットコインとブロックチェーンについて、ご紹介いたします。
ビットコインをはじめとした仮想通貨と、それを支えるブロックチェーンの技術について、ご紹介いたします。
「Personal Computers in 1975, the Internet in 1993, and – I believe – Bitcoin in 2014.」
これは、2014年のニューヨーク・タイムズのインタビューで、Netscapeを上場させ、FacebookやTwitterの初期投資家としても有名なマーク・アンドリーセンの発言です。この発言から見ても分かるとおり、ビットコイン、およびその仕組みを支えるブロックチェーンの技術は、それくらい現代社会において画期的なイノベーションとして期待されています。
ビットコインの誕生は、2008年に突如、「ナカモト・サトシ」と名乗る人物により、Web上に公開された1本の論文「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System」から始まったという逸話は有名です。ビットコインとは、インターネット上で、取引や通貨発行が行われる「仮想通貨」のことで、P2Pネットワークという仕組みにより、政府や中央銀行などの発行主体(管理者)を持たず、非常に安い手数料で、世界中の取扱店舗で利用可能な通貨です。
これまでビットコインは、「送金」や「投機」という目的で、オンライン上の取引所や両替所で換金され、安い手数料により、海外送金などで利用されてきました。例えば、途上国から先進国への出稼ぎ労働者が自国への送金に際して、ビットコインを利用するケースは、アンバンクドと呼ばれる銀行口座を持てない層や海外送金の高コストに悩んでいた低所得者層に画期的なサービスを提供しました。また、ビットコイン自体の激しい値動きに目をつけ、投機的な目的でビットコインを購入するケースも多数見受けられます。
しかしながら、最近では、ビットコインを含む仮想通貨に対し、より本格的に「通貨」としての利用が検討され始めました。具体的には、財務省と金融庁が2017年春をメドにこれまで仮想通貨を購入する際にかかっていた消費税を廃止する方向で調整に入ったことが発表されました。仮想通貨の取引は、現在は、消費税法上はモノやサービスと同列に扱われるため、購入時に8%の消費税と手数料が発生していましたが、消費税の非課税化を機に、今後は、「決済手段(=通貨)」としての利用に弾みがつきそうな勢いです。
そうなると、今後はますます加盟店やECサイトでの利用増加が予想されます。実際、国内で買い物や飲食の支払いにビットコインを利用できる店舗が2016年9月時点で、約2500店舗と、この1年間で4倍程度増加しました。また、電力自由化に伴い、電気代の支払いにビットコインを導入する新規電力事業会社も現れ、我々の身近なサービスにまでビットコインの波が押し寄せてきています。その他のビットコインの活用例では、マイクロペイメントと呼ばれる記事の切り売りサービスも期待されています。これは、読みたい記事やコンテンツのみに対し、数円程度の支払いを可能とし、迅速かつ安価なコンテンツ課金モデルを実現しています。
直近のプロジェクト事例でもブロックチェーンを活用した地域活性化の新規事業モデルを立案しました。このあたりも公開できる範囲でご紹介したいと思います。