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~AI導入の環境~

パートナー 北村 俊樹

前回は、ビジネスにおける人工知能(AI)導入事例についてご紹介した。今回は、自社にAIを導入する場合、どの様な環境を利用できるのかについて触れる。

機械学習とモデル


AIの導入に必要な環境を考える前に、そもそもAIはどの様に導入するのか。既に多くの人が知っているようにAIを導入するにはまず学習が必要となる。そして学習に用いるデータが必要である。

データを用いて学習させる事により生み出される思考のモデルが人工知能、即ちAIとなる。学習によりモデルが確立されれば、新しいデータを読み込ませた時にそのモデルに基づいて解を導き出してくれるのである。

つまりAIには、モデルを構築するための学習環境とモデルの実行環境が必要となる。

アプリケーションとプラットフォーム



企業がAIを活用する場合には、AIを搭載済みの特定用途向けアプリケーションを利用するか、AIのライブラリ等を用いて自社用途向けに開発するかのいずれかである。そのAIのライブラリを総合的に提供するサービスとして、GoogleやAmazon、Microsoft、IBM等の各社がプラットフォームサービスの拡充を急速に進めている。これらのプラットフォームサービスの多くは既存のクラウドサービスにアドオンされる形で提供されているため、企業としては、膨大なデータを用いた機械学習時に必要となるデータ処理リソースとして、そのままクラウド環境を利用することが出来る。

また、これらのプラットフォームサービスでは、画像認識や音声認識、自然言語処理、機械翻訳等の学習済みモデルもAPIとして用意されており、これらのAPIと自社用に構築するモデルとを組み合わせて効率的に開発を行うことが可能になっている。

各プラットフォームでは提供されるAPIの機能は一見どれも変わりが無いように見えるが、使用できるアルゴリズム等での違いがあることや、基盤となるクラウドサービスでのサービスの違いにより、用途に応じた選定が必要となる。

次回は、AIを導入するまでのアプローチをテーマとし、プラットフォームの選定についても触れることとする。