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~データアナリティクス~

マネージャー 植澤 崇志

~第3回 意思決定に繋げることへの難しさ~

第1回ではデータ分析の目的について、第2回ではデータを読み解く際のポイントについて解説した。
第3回では、データ分析を意思決定に繋げる上での課題や障壁について解説する。

こういったケースを考えよう。

上長にある意思決定を促すべく、仮説を立て検証を行う。
その検証手段としてデータ分析を実施し、仮説を十分にフォローする結果が得られた。
検証結果を上長に報告し、仮説の妥当性を説き、意思決定を促したが、上長の理解は得られなかった。
さて、仮説の妥当性やデータの分析手法に問題がなく、また他のファクターも意思決定に干渉しない場合、上長の意思決定に繋がらなかった理由としてどのようなものが考えられるだろうか。

①適切な伝え方ができていない
まず挙げられるのは、上長のデータリテラシーに合わせた伝え方ができていない場合である。近年データアナリティクスは普及してきてはいるものの、データについて一定の知識・知見を有している人材はまだ多くはない。どんなに高度な分析手法を用いて仮説の正当性を証明しても、その分析結果が理解されないのでは意味がない。

この場合、上長のレベルに合わせて、アウトプットの粒度を調整することが肝要になる。あまりデータに馴染みのない人に対しては分析結果をより抽象化・簡略化し、逆にデータに知見のある人に対してはある程度複雑であっても詳細なアウトプットを提示した方が共に納得度が高い。データ分析を意思決定まで繋げる際には、伝え方も重要なファクターとなる。

②文化・前例がない
上長のレベルに合わせた適切な伝え方をしたとしても、意思決定に繋げてもらえない場合がある。例えば、データに基づく意思決定の文化が社内で醸成されていない場合、意思決定者が尻込みすることは多い。アウトプットの内容は理解できるものの、何となく納得はできない、といったように感情的な要因により意思決定が阻害されるのである。データに基づく意思決定の前例がない場合には、さらに顕著にその傾向は表れる。

この場合の対応方法は、ケースによって様々である。意思決定やデータ分析の内容、上長のリテラシーレベル、また上長1人を説けばよいのか、文化そのものを醸成する必要があるのかにもよって対応は異なる。当社では目的・分析内容のみならず、上長の人柄や現場の温度感、人間関係などの定性情報も総合的に加味し、対応の検討を行う。

以上、3回に渡ってデータアナリティクスのポイントについて解説してきた。様々課題や注意点はあるものの、うまく活用できれば読者のビジネスを大きく促進することは間違いないだろう。
また、当社は様々なクライアントや経営層に対して、データを活用した経営支援や、データに基づく意思決定の文化醸成を支援してきた実績を有する。データアナリティクスに関してお困りの際には、気軽に当社にご相談頂きたい。