第51回目は、ブロックチェーンの特性とビジネスにおける活用分野についてご紹介いたします。
<はじめに>
近年のAIや機械学習ブームとも相まって、データ分析需要はさらに拡大を続けている。データ分析の専門職ではなくとも、業務の中でデータに触れる・読み解く・加工するといった機会が近年増えたと感じる読者も多いだろう。
そういった背景を踏まえ、データ分析をビジネスの課題解決や意思決定に活かすためのポイントを以下の論点に沿って解説してゆく。
・データ分析の目的とは
・データを読み解く際のポイント
・意思決定に繋げることへの難しさ
今回は、1つ目の論点である「データ分析の目的とは」について解説する。
<データ分析の目的とは>
まず前提として忘れてはならないのが、ビジネスにおける全てのデータ分析の大目的は意思決定への寄与である。何らかの意思決定すべき事項があり、それを判断するための手段の一つとしてデータ分析がある。従って、データ分析そのものを目的としてはならず、また意思決定に繋がらないデータ分析はすべきではない。また、データ以外からのアプローチ手段もオプションとして常に頭に残しておくことを忘れてはならない。
それを前提とした上で、個々のデータ分析の目的はどのように設定すべきであろうか。データ分析の目的は企業や状況によって多種多様と思われるかもしれないが、大別すれば以下の3つに類型化できる。
◇可視化
◇仮説検証
◇仮説創出
①可視化
一定期間や一定条件における企業活動・KPIについて、可視化を行うための分析である。
売上や利益の算出は代表的な例であろう。
ここで重要なのは、可視化を行う目的まで明確に定めることである。決して見栄えの良いグラフを作って満足してはならない。可視化を行う目的の例としては、
・企業活動の進捗状況評価
・異常の検知
・課題の特定
などが挙げられる。
②仮説検証
課題に対しての解決策や、成長のための施策について仮説を立て、その有効性や実現性を検証するためのデータ分析である。主にマーケティング施策の検証に用いられるA/Bテストはこれに該当するだろう。
ここで重要なのは、結果を判断する項目(目的変数)と、判断の基準値を分析の前に決めておくことである。例えば、一言で売上を向上する施策といっても、客数に寄与するものもあれば、客単価に寄与するものもあるだろう。また、判断の基準値がないと数値差を誤差とするのか、意味のある差とするのか判断ができない。これらをあえて定めず分析を行う場合もあるが、特段の理由がなければ基本的には前段の設計を行っておくことを推奨する。
③仮説構築
課題に対する解決策や、成長施策について仮説が立たない場合に、仮説の端緒を作るための分析である。但しこの分析はあまり推奨できない。その理由としては、効率が悪く、
散々データを加工・分析しても何の示唆も得られない場合が多いからである。これを行う場合には、2.よりもさらに詳細に分析設計を行う必要がある。すなわち、
・何の示唆を得るために
・何のデータを
・どの範囲まで
・どのように加工するのか
といった内容を分析前に定めておくことが必須である。
そして、何も得られなかった場合でも執着せず、次の手段を模索できるような割り切りも必要である。基本的には、ゼロベースで仮説を立て、データを用いて検証するというプロセスを取って頂きたい。
<最後に>
以上、意思決定に寄与するためのデータ分析の目的設定について簡単に記載した。
ここまで読んで頂ければお気づきの通り、結局のところデータ分析においても、
現状を把握する
課題を発見する
仮説を構築する
仮説を検証する
というサイクルに基づくことは通常のビジネスと変わらないのである。
データ分析チームと連携したり、自身でデータ分析を行ったりする読者の方は、今一度目的設定が明確にできているか確認してみてはいかがだろうか。
次回は、「データを読み解く際のポイント」について解説してゆく。