第 11 回目は、新興国の携帯電話事情について、ご紹介いたします。
先進国・中国・南米と比べ、ASEAN・アフリカ諸国は圧倒的に固定電話の普及率が低いことは皆様もよくご存じのことと思います。
そういった地域では、むしろ携帯電話の方が普及しており、一昔前の世代の方々では考えられない状況となっております。
実際、アフリカでは携帯電話の普及率約 85%を達成しており、驚くべき数字と感じる人も少なくないのではないでしょうか。
そんな新興国で、近年携帯電話に関わる環境がどのように変化しているか、本日は以下の 3 点にフォーカスし、お伝えしたく思います。
① インフラ強化
② コンテンツ強化
③ ライフスタイルとの融合
まずは、インフラ強化。アジア最後のフロンティアと呼ばれるミャンマーを除き、携帯電話の普及は非常に進んでいます。新興国は日本同様、スマホ後進国が多く、少しずつ普及が進んでいる中、回線品質の強化が必要とされている地域もあります。
一方、無料 Wifi スポットが日本以上に整備されている国もあり、(ミャンマーでさえ無料 Wifi スポットは街中いたるところに)意外と繋がる状況でもあります。
次にコンテンツ強化。ASEAN を中心に、ネットゲームは非常に盛り上がりを見せています。
日本でいうところのネットカフェに集まり、ゲームに明け暮れることもあったが、今はモバイルゲームが人気となりつつあります。
諸外国から ASEAN に輸出する際、ローカライズ対応と、決済が大きな課題となっています。
決済の問題点は主に 2 つ。クレジットカード浸透率が低いことと、Android ユーザーが多く、Google がキャリア決済を OK とするまではなかなか普及が進まないことです。
また、Flappy Bird のようにベトナムの開発者がたった一人で作り出し、海外で大ヒットした例をみても、今後の ASEAN モバイルゲーム市場はポテンシャルを秘めていると感じられます。
ライフスタイルとの融合としては、アフリカでのモバイル送金の利用増などがあります。
日本では当たり前のインフラが脆弱だからこそ、モバイル利用に集中します。(アフリカでは銀行口座の普及率が 20%未満の国多数。)
事実、ガンビア、レソト、リベリア、コモロでは 2013 年の GDP の約 20%が送金によるものでした。
今後は、スマホが会社の電子キー代わりとなったり、車のキーとなったりするケースが出てくるでしょう。
日本では当たり前のインフラ(電子キーなど)が無いからこそ、スマホによる普及がスムーズに進むと考えられます。
我々も、シンガポール拠点を中心に新興国でのビジネスイノベーション、テクノロジーイノベーションを支えていきます。