第17回目は、BRMSを活用した業務革新について、ご紹介いたします
「BRMS」という言葉をご存じでしょうか。Business rulemanagement system の略で、日本でも 3,4 年前くらいから言葉はちらほらと聞こえてくるようになったのではないかと思います。
ビジネスルールとは、業務要件や業務の制約事項をルールとして定義することを示しています。BRMS は、こうしたビジネスルールの考えを取り込んだ手法であり、これにより、業務上の様々なルールを細分化してシステム上で管理します。
従来のシステム開発では、システム仕様をプログラムにハードコーディングすることで、システムを構築してきました。このような場合、システムの仕様変更が発生した際にシステムのソースコードを調査・修正するといった作業工程が発生します。こうした作業工程が頻発することにより、保守・運用コストの増大・品質の劣化・スケジュールの遅延等につながっていました。このような課題・リスクを解決するために、BRMS の手法を取り入れる企業が増えてきました。
しかしながら、BRMS は、単純にシステム開発を楽にするためだけのものではなく、ビジネス自体のスピードアップを実現するツールであるというのが事の本質であると考えます。日本でも今後、一般企業による導入が常識となり、競争力強化に欠かせないツールとなると言われています。実際国内において、BRMS は、金融機関、特に生命保険会社を中心に近年導入が活発化し始めています。当社のかかわってきたコンサルティング案件においても、BRMS の導入が係るケースや検討が行われるケースは増えていると認識しています。現時点では、適用されている業務としては、生命保険会社における保険の引受査定業務、申込情報の入力チェック等のシーンが中心です。
一方で、海外における BRMS のトレンドはどのようになっているのでしょうか。海外では、金融機関以外でも、製造業、医療、EC といった領域において導入が活発化してきています。例えば、医療系ビジネスにおいては、ビジネスルールが多岐にわたります。例えば、病院において緊急患者の場合、呼吸状態、血液、心拍数など状況を判断するのに必要な項目が約 15 項目存在します。これらの情報を素早く収集・登録し、BRMS でルールを整理しパターンマッチングを行うと、医師がより早く適正な処置を判断できるようになります。
そして、日本国内においても、今後着目すべきは、本技術の様々な分野への利活用です。どのような業界でも、ビジネスルール改善のスピード、ルール自体のクオリティを追い求める動きは変わらないものだと思いますので、海外で医療業界や製造業への利活用が進んでいるように、日本国内においても、今後、様々なビジネスシーンに適用範囲が拡大し、また違った形で「BRMS」という言葉を耳にする機会が増えてくるのではないでしょうか。今後は、AI 等の新しいテクノロジー時代の到来により、従来人間が行っていた判断などが、機械化されていくことが予想されます。
そのような環境の中で、「蓄積された業務ノウハウを結集し、ビジネスルールとしてシステム化する」BRMS が、今後どのような位置づけで存在感を示していくのか、当社も最先端の技術動向、業界動向を注視していきたいと思います。
Produce Next
BRMS を活用して新たな業務革新を。我々も全力でご支援致します。